地点37(北西48km伊達市霊山町石田宝司決)の観測と予想について

この地点で予想される事故後始めの1年間(0日〜365日の間)の被曝量は
 21.6mSVである。

図1

図2

図3
 

1・・・放出された放射性物質は (ヨウ素131) (セシウム134) (セシウム137)3種類のみを考えています。また外部被曝には放出すれば非常にやっかいな (ストロンチウム90、半減期28.8)等は考慮されていません。またこれからこの3つの物質は雨などによって汚染地から多少拡散することも予想されますが、ここではこの放射性物質はすべて今の場所に定着するとしています。ですから、1年くらい経ち雨などによる拡散と希釈がどの程度になるか、継続して観測値を見守る必要があります。逆に汚染地域からの放射性物質の流れ込みなど、汚染が広がる恐れもあります。

 2・・・累積被曝量は24時間野外にいたとしての被曝量です。木造家屋にいれば野外の67割、コンクリートの建物にいれば12割程度になります。日本では一般人の年間外部被曝量限度は1mSV/年です

 3・・・実際の観測データとグラフとの対比を見ると、事故後0日目~7日目(0.02)くらいまでは多少誤差が大きくなっています。これは式で考えていない、半減期が短いキセノン134(β崩壊半減期5.24)やテルル132(β崩壊3.26)などからの放射線が影響したかもしれません。運転停止直後の原子炉にはキセノン134、テルル132ともヨウ素と同等かそれ以上が存在し、半減期の長さを考えても3/15にはヨウ素と同じくらいのベクレル数が放出されたと考えられます。実際事故直後の実測線量はグラフの予想値の1.5倍程度が観測されており、先の仮定を裏付けているかもしれません。ただキセノン等は気体でしか存在せず、外部被曝には関係ないβ崩壊です。また一気に崩壊するのもあり拡散も早かったため厳密な評価ができないため、式に入れていません。

 4・・・観測線量が低い地点は予想値の誤差が大きくなる傾向があります。これは、観測機器の精度に依存しているのですが、簡易モニタリングデータでは日々の測定値のばらつきが大きく完全に正確な数値を取れないことに原因があります。予測数値は正確にでるように補正はしていますが、あくまで目安です。

*5・・・式で考えているそれぞれの放射性物質のベクレルと崩壊エネルギーは以下のとおりです。

  I-131 Cs-134 Cs-137
放出ベクレル比・・・a 30(南方向は60) 0.863 1
崩壊エネルギー(γ崩壊のみ)・・・Ea 0.365 1.514 0.563
半減期 8日 2.1年 30年

 

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