地点32(西北西30km双葉郡浪江町赤宇木手七郎)の観測と予想について
* この地点(モニタリング番号1,7,15,31,33,34,38,71,79,84)では現在2種類のデータの観測が同時に行われています。一つは線量だけを測ったデータ(モニタリング結果)・・・A、もう一つは線量から積算線量を観測したデータ(積算線量結果)・・・Bです。
このAとB二つのデータは一致していなければいけませんが、計測にはそれぞれ別の計器を使っており、観測値には誤差が生じています。どちらがより正確かは断定できないので、2種類のデータから得られる予想値を載せています。地点によっては大きな違いが現れる所があります。このような誤差や違いも考慮してグラフを理解してください。全般的にAの観測値よりBの観測値の方が、測定値にばらつきが少なく、より信頼できるとみなされています。そのため、新聞各紙はBの観測線量と累積被曝量を採用するときが多いです。
A・・・以下、線量だけを測ったデータ(モニタリング結果)より推定
この地点で予想される事故後始めの1年間(始めの0日〜365日の間)の被曝量は
162.8mSVである。
B・・・以下、線量から積算線量を観測したデータ(積算線量結果)より推定
この地点で予想される事故後始めの1年間(始めの0日〜365日の間)の被曝量は
141.1mSVである。
*1・・・放出された放射性物質は (ヨウ素131)、 (セシウム134)、 (セシウム137)の3種類のみを考えています。また外部被曝には放出すれば非常にやっかいな (ストロンチウム90、半減期28.8年)等は考慮されていません。またこれからこの3つの物質は雨などによって汚染地から多少拡散することも予想されますが、ここではこの放射性物質はすべて今の場所に定着するとしています。ですから、1年くらい経ち雨などによる拡散と希釈がどの程度になるか、継続して観測値を見守る必要があります。逆に汚染地域からの放射性物質の流れ込みなど、汚染が広がる恐れもあります。
*5・・・式で考えているそれぞれの放射性物質のベクレルと崩壊エネルギーは以下のとおりです。
I-131 | Cs-134 | Cs-137 | |
放出ベクレル比・・・a | 30(南方向は60) | 0.863 | 1 |
崩壊エネルギー(γ崩壊のみ)・・・Ea | 0.365 | 1.514 | 0.563 |
半減期 | 8日 | 2.1年 | 30年 |